アマゾン・マナオス3年間

 アマゾンの「Manaus」での生活(1998年4月〜2001年3月)について公開します。

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1999年9月28日(火)
「アマゾン体験学習(平成11年度」


 今年度の体験学習は、イデタプライヤ(出田氏所有のネグロ川の浜辺)で行った。今年は、川の水量が多く去年よりも上流で活動した。

 初日、低学年(小学4年生まで)はトロピカル桟橋からホンダ社所有の船で出発した。高学年はマナオスからフェリーで対岸に渡り、陸をスクールバスで走った。

 高学年は9時半にプライヤ(浜辺)に着き到着式の後、昼食の準備に入った。メニューは、ご飯、タンバキの焼き魚、サラダである。ご飯は、しんがありうまく炊けなかったのが残念であったが、60pもあるタンバキの焼き魚は油がのっていて大変おいしかった。

 その後、レクレーション(各委員会の出し物で、「ジェスチャーゲーム」、「何が落ちた」、「靴とばし」、「砂ほり」等)を行い盛り上がった。午後4時からプライヤでの魚釣り、船釣り、水遊び、ウエーブライダに分かれて活動した。

 夕食は、ホンダ船でカレーを作ってもらい、プライヤでおいしく食べた。夕日を眺めて食べるカレーの味は美味しかった。夕食後、ヘッジ(ハンモック)・蚊帳をつる準備に入った。夜寝ようとしたが、蚊の多さはすごかった。

 虫よけスプレーはまるで効かない、蚊帳をしていてもその外からヘッジを通り越して刺してくる。一晩中、蚊との戦いだった。ゆっくり寝つけなかった。これほど蚊に悩まされた事は生まれて初めてである。色々なところを数え切れないほど刺され、かゆさは言葉で言い尽くせないほどだった。

 いかに家でゆっくり睡眠ができることが幸福であるか、その時は思い知らされた。刺した後も、1週間くらいあとが残りかゆみが取れない。誰もマラリアにならないとよいが・・・・。潜伏期間は1週間だそうである。

 次の日は、初日と同じ活動をし、午前11時頃プライヤを出発した。今回は、天候にも恵まれ、川の状態も良かったが、一言で言い表すと「蚊に耐える体験学習だった」に尽きる。


マラリアとは (「海外で健康に暮らすための手引き」より)


 マラリアは、世界で2億6千万人余の感染者がいると推定され、年間100万〜200万人が死亡すると言われています。

 一般に、熱帯南アフリカを除く他の地域では、首
都でマラリアに感染する危険がある国は少数です。また、1500m以上の高地では感染の危険は少なくなりますが例外もあります。

 ハマダラカに刺されて7日以上経ってから、発熱を主な症状として起こし、「三日熱マラリア」「卵形マラリア」「四日熱マラリア」および「熱帯マラリア」の4種類があります。

一般に頭痛、吐き気、筋肉痛などの全身症状を示します。

《三日熱マラリア、卵形マラリア》
 典型的な症状は、37〜38度台の発熱が3〜4日続き、続いて寒気、ふるえを訴え(ふとんを何枚かけてもブルブルふるえる)、さらに40度台の高熱を出し、続いて滝のように汗を出して熱が下がり、同時に眠り込むというのが特有の症状です。

このよう
な熱発作を1日おき(48時間ごと)に繰り返します。

《四日熱マラリア》
  三日熱マラリアに似た発熱を示しますが間隔は2日おき(72時間ごと)に繰り返します。三日熱および四日熱マラリアの病原体は長く体内に残り発熱を繰り返すことがありますが、特に四日熱マラリアに一度かかった人は給血者として他人に血液を与えることはできないと言われています。

三日熱マラリア、四日熱マラリアは、一部の例外を除
けばchloroquine(クロロキン)で予防も治療もでき、大人な一般に命の危険はありませんが、0〜2歳くらいの幼児では死亡することがあります。

《熱帯熱マラリア》
  三日熱および四日熱マラリアは発熱の形と間隔が特有であるのに対し、熱帯熱マラリア高熱が激しく上下し、他の熱帯感染症(インフルエンザ、エボラ出血熱、マールブルク病、カラアザール、敗血症など)と誤診されやすいのでマラリア原虫の血液検査が診断の決め手となります。

治療が遅れると脳血栓、脳性マラリア、尿毒症などの合併症を
起こし、発熱から1週間以内に死亡することもあります。
このような重症熱帯熱マラリ
アは、マラリアに流行していない地域から熱帯熱マラリアの流行地域に初めて入った人が最初に感染した時にお起やすく、初めの急性期を過ぎると三日熱マラリアに似た熱形を示すので「悪性三日熱マラリア」と呼ばれることもあります。

 ※ マラリア流行地域で発熱した場合は、まずマラリアを疑い、治療薬を服用し、血液検査をしてマラリア原虫の発見につとめてください。なお、幼児では不規則な熱形を示し、3カ月以下の乳児では発熱したいこともあるので注意が必要です。  


 誰もマラリアにかからなければ良いがと思っていたら、同期でマナオス日本人学校に赴任してきた職員がマラリアにかかってしまった。

最初、37度〜38度の熱が続き、そして寒気がしてきたそうである。それでマナオスの熱帯病病院に行って血液検査を受けたところ、三日熱マラリアと判断された。治療は薬で行い、まず血液の中のマラリア原虫をやっつける。

その薬がとてもまずく、ジャムと混ぜても飲めたものではないと言っていた。けいれんも30分くらい続いたそうである。体温が42度くらいに上がり、その時は熱いという感触もないくらい訳のわからない状態だったそうである。

 幻聴や何かの音も聞こえたという。その後滝のように汗が流れ、熱が下がったそうである。本人も「死ぬかと思った」と言っていた。その後、肝臓の中の菌を殺す薬に変え治療を続けた。検査を数度受け3週間後くらいに血液検査でOKとなった。

 しかし、肝臓に負担をかけないようにするため、「3カ月間は禁酒せよ」と医者から断言され、彼は真面目に禁酒した。激しい運動はもちろん厳禁で、医者によっては、なま野菜とかもだめだと言われたそうだ。


(写真は、ピラルク号と、プライヤ(砂浜)。この場所で、体験学習を行う。)

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